教員紹介

「デキる」ビジネスパーソンを育む

「デキる」ビジネスパーソンを育む

学びのテーマは実社会に在り!
「なぜ?」「どうして?」という身近な疑問が学びへとつながります。
私たち教員は皆さんの"好奇心のスイッチ"を入れるために全力でサポートしていきます。

金井 辰郎 教授

KANAI Tatsuro

学位:博士(経済学)(東北大学)
研究分野:一般均衡理論、厚生経済学形成史

経済学=お金儲けの学問?

経済学というとお金儲けの方法を研究する学問と思っている人がいますが、残念ながら、経済学は人を出し抜いて<自分だけ>がハッピーになる方法を考える学問ではありません。そうではなくて、社会<全体>がハッピーになるために必要な経済政策(そしてその政策を考えるための分析道具)を考える学問が経済学です。

「冷徹な頭脳とあたたかい心」

19世紀末、今日の初歩的なミクロ経済学の基礎(部分均衡理論)を作ったA. マーシャルは、経済学者が兼ね備えているべき能力あるいは性格として「cool heads, but warm hearts」を挙げました。経済学者には、まず第一に社会で起きていることがらを論理的に分析できる能力(cool heads)がなければいけません。また同時に、社会の不幸を何とかして減らしたいという熱い気持ち(warm hearts)もなければいけません。経済学研究には、そのどちらか一方ではなく、両方が必要であるということです(写真はマーシャルの上記の言葉が出てくる著作)。

厚生経済学・一般均衡理論から
「幸福の経済学」へ

個人の研究としては、厚生経済学という、経済学の中でも特に「幸福」(伝統的な経済学ではそれを「厚生」と呼びました)の測定・評価の方法を考える分野がどのように形成されていったか(それは論争の歴史でした)を研究してきました。またそれと並行してその厚生経済学の基礎になっていた一般均衡理論という基礎理論がどのように日本に導入されたかについて、いくつかの個人文庫(経済学者の遺構類を収めたコレクション)の調査も行ってきました。昨今は、厚生経済学に見られた「幸福」あるいは「厚生」の研究が心理学研究と結びつき、「幸福の経済学」と呼ばれる主観的幸福度の研究に向かいつつあることに興味を感じています。幸福の測定・評価は非常に難しいテーマですが、昔も今も経済学の中心的なテーマです(写真は新厚生経済学の建設者ヒックスの著作)。

人と違うことに価値がある

研究室(ゼミ)には現在、3年生6名(女子2名)、4年生4名(女子1名)が所属しています。ゼミとは卒業論文を書くための勉強をする授業のことですが、人が書いた教科書を暗記するだけの他の授業と異なり、卒業論文は人が言っていないことが述べられていること、すなわちオリジナリティがあることに価値があります。オリジナルなことを論理的に証拠を挙げながら述べるというのはかなり難しい作業ですが、楽しい作業でもあります。書き終えると、学問に対する見方が変わります(写真はある日のゼミのホワイトボード)。